高校大学連携授業 1

「地球の半径を測る」(井上 昌昭)

  1. 序文・・・数学の由来 [印刷用PDF]
  2. 古代数学史年表  [印刷用PDF]
  3. ギリシア時代の地図 [印刷用PDF]
  4. 中心角と弧の長さ [印刷用PDF]
  5. エラトステネス地球を測る [印刷用PDF]
  6. 地平線までの距離 [印刷用PDF]
  7. 解答 [印刷用PDF]

※一部特殊文字を使用しているため環境によっては、文字化けが起こる場合があります。その場合は、印刷用PDFファイルをご覧ください。


5. エラトステネス地球を測る

 エラトステネス(BC276〜194)は当時のエジプト(プトレマイオス王国)の首都アレクサンドリアの博物館の館長でした.この博物館は,現在の国立研究機関の先駆けともいうべきもので,彼の前任者にはユークリッドがいました.
  ギリシャの学者の間では地球が丸いという考えは広く受け入れられていました.エラトステネスは地球の大きさを測ることができたのです.また,彼は次の事実を知っていました.毎年,夏至の日(北半球では621日ごろ)の正午には,シエネの町(現在のエジプトのアスワン)では深い井戸の底まで太陽の光が届くのです.ということは,1年の間で正確にその時,この場所では太陽が真上に来ることを意味してます.一方,アレクサンドリアでは,正確に夏至の正午に(おもりをつり下げて)垂直にした日時計の柱の影の長さを測り,図1に示した角度θ 7.5°と測定しました.さらにエラトステネスは,シエネ(アスワン)がアレクサンドリアの(ほぼ)真南,約 800kmのところにあることも知っていました.
  次に彼は地球の半径を r とし,基本的な状況を図2でしめしたように認識しました.θ7.5°および800(km)です.ここで扇形の半径 r ,中心角θ°,弧の長さの関係式より,地球の半径 r を,θおよび円周率πで表すと

r
 
6114.65(km)

になります.

           

 こうしてエラトステネスは地球の大きさを測ったのです.もちろんその値は近似的なものでしかありませんでした.現在知られている地球の半径は約6360kmです.

 (注)地球は太陽の周りを一年かけて一周します.その軌道面に対して地球の自転軸は23.5°傾いています(図4).従って北半球が夏至の日の正午に北緯23.5°の場所ではちょうど太陽が真上に来ます(図3).北緯23.5°の線を北回帰線と言います.

     

 

 

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